お寺の本堂・庫裏(クリ)建て替え 建立工事
第五巻 屋根瓦工事・造作前半の巻


向拝の屋根 すす 破風作り
 前回のページで建て前終了とさせて頂きましたが
…実は、この向拝(ごはい)の屋根の完成までに
ずいぶん手間がかかってしまいました^^;
6寸勾配の大屋根から2重にタル木を使って
少しずつ勾配を戻し滑らかな曲線を作り出す作業
です。


 工事課長が取り組んでいるのは、左画像の
左右に取り付ける【破風】というパーツ作りです。
屋根の曲線に合うように少しづつ電気カンナで
削っていきます。材質は、蒸さりにも腐れにも強く
それでいてコスト的にも有利な杉の赤身です。



破風取り付け完了! 瓦工事1
 分りますかね?屋根の上にいる手前の人の足元
下に配置されたパーツが上右画像の【破風】です。
木の元も先も細工を施し見ごたえのある仕上がりに
なりました。工場で見ていると少しサイズ的に大きめ
なのでは?ってくらいで丁度良いくらいです。
屋根の上に上がってしまうとずいぶん小さく見える
ものなんですね! 余談ですが…
交差点にある信号機の赤・黄・青の丸い玉の直径を
ご存知ですか?なんと30cmもあるんですよ!
コンパスで机の上に描いて見てください。えっ!!
こんなにデカかったの?って感じて頂けるでしょう。
(笑)それと同じです。はい。


 瓦屋さんの登場ですね。屋根瓦が搬入されたら
先ず一番にハシゴを掛けます。このハシゴは、
ウインチと連動していて電動で荷車をハシゴ上で
走らせることができます。一番ポピュラーなスタイル
でしょう。屋根瓦もカベ土もすべてこれで屋根の上
に運ばれます。軒下では、排煙窓の取り付けが、
行われています。異種業者による上下作業で
もっとも危険な作業ですね。普段からチームワーク
がとれていてお互いの距離を確認しあえる仲だから
こそ安全に工事が進むのです。巷では、見知らぬ
職人を寄せ集めてローコスト住宅を建てていますが
現場では、戦場のようで決して良い物ができると
言った雰囲気ではありません。お施主様の知らない
ところで職人同士がぶつかったり、いがみ合ったり
時には、いやがらせさえ発生したりします。そんな
現場で【良い仕事】が生まれるわけがありません。


瓦工事2 瓦工事3
 瓦の割付と目立つ役物取り付けは、瓦屋さんの
親方さんのお仕事です。今回は、耐震コンパクトの
お寺の再建ですから、やはりカベ土を極力使わず
桟に釘で打ちつけていく工法にしました。総重量は、
かなり軽減されると期待できます。



 数枚づつにまとめて点在するように瓦を仮置き
します。それから縦・斜めに水糸を張ってそれを
目安に瓦を葺いて行きます。今年は、梅雨明けが
遅く雨の多い年でした。「土方殺すにゃ刃物はいらん
雨の3日も降れば良い」って瓦屋さんも同じですね。
晴れ間を見計らってモーレツに作業されていました。


瓦工事4 床上げ1
 役物の取り付けですね!鬼・唐草・巴・・・とか
瓦屋用語も難しいものです。これらは、親方の手で
カベ土を使って据えられて行きます。終盤ですね。


 床の下地作業開始ですね。基礎高が900mm
近くあるものですから他部屋への移動が大変です!
早く床を完成させなきゃ疲れて仕方ないです(笑)
足場板の下の角材が
大引きと呼ばれ床タル木を
支える材木です。手前に準備されているのが、
床タル木です。


床上げ タル木配置 床上げ 断熱材を入れて
 床構造が完成したところです。今回は、大引きを
受ける床束(短い柱)が長くなるためムラやガタツキ
を防ぐためにボルトで基礎ベースと連結しました。
これで頑強な床構造となります。


 おなじみの床断熱工事です。畳敷きの場合は、
断熱材を入れる必要もないように感じるのですが、
板仕上がりはもちろん畳敷きの下にも全部断熱材
を入れておきました!@@ こりゃ冬場あったかいわ。


床上げ 杉板を貼って 床下構造
 上記画像に杉の床板を貼ったところです。
これが、ごく一般的な和室の畳敷きの床下地です。
昔は、土用干しと言って畳をめくり、さらにこの杉板
までめくって天日で干したものです。最近では、
ベタ基礎で床下に湿気も呼ばないため年中行事も
減りましたね。


 床下の拡大画像です。上下には、ボルトで固定。
しかも床束同士は、3寸貫で連結。完璧です!
床下の空間が広いので湿気ることは、ありません。
また、後日のメンティナンスにも好都合です。
こういった普段見えない部分をきっちり写真にすると
お施主様に喜んで頂けます。はい。



屋根裏構造 工場で内作
 本堂の屋根裏の構造です。比較的小さい建物
なのに寄棟屋根形状なのでほとんど屋根全体に
隅木が配置されます。これは、地震等の揺れに
対してものすごく有利です。構造材が斜めにあれば
あるほど建物は、強くなりますからね!写真で
おわかりでしょうか?小屋束同士をタスキに繋ぐ
補強木材、これを雲筋交いと言います。通常は、
15mm厚のもので良いのですが、今回は、30mm厚
のものを使いました。


 おやっ?
また棟梁が、独走(独創?)し始めましたね〜
工場で何かをコツコツ作り出しました。。。
石膏ボードを切り出し、その寸法に木枠を作って
います。
どこに取り付けられるでしょうか?  ん〜〜額縁のような・・・一抱えもあるような木枠。
何に使うんでしょうね〜?黙々と作っています。
しばらくそっとしておきましょう!(笑)

 このパーツの使い道は、いかに・・・。
次回のお楽しみで〜す。続けて見てね〜♪


             つづく

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