【The お寺!】 江戸中期 寛政4年(かんせい)【西暦1792年】に建立された築212年の本堂にも
度重なる地震の爪跡が・・・東海大地震に備え解体し耐震型のコンパクトサイズに建て替え工事を実施!

神戸宗休寺本堂・庫裏(クリ)建て替え 建立工事
第一巻 解体前・仏具、宮殿(くうでん)の移設の巻

旧本堂含む全貌1 すす 旧本堂含む全貌2
 先ず、本堂解体前の全貌を軽くご案内します。
正面の山門と連なる土塀は、昭和58年に新築。
左の鐘楼堂(しょうろうどう)一般には、鐘つき堂と
親しまれていますが…
これは、平成4年に全屋根替え工事を行いました。
また、阪神淡路大震災の影響で足元がずれて
しまったので震災直後に束石を調整し直しました。
そして、山門奥にそびえる大きな屋根の建物が、
今回のテーマとなる本堂です。








 続いて本堂(写真の一番大きな建物)ですが、
筋交いの補強、下陣(げじん 一般参拝者が、
上がる間)の床替え、濡れ縁周りの霧よけの設置、
(兄と二人で施工した想い出の作品です 涙)、
外回りでは…瓦の劣化による雨漏りの修理、
外トイレの新設、庫裏(くり)の増築など…
このお寺の保守は、我々の祖父の時代から
何度もやらせて頂いています。しかし…ここにきて、
大きく傾いた本堂に関して東海大地震で危険
と判断し、住職さん・檀家役員さんと話し合い、
数度の世話方会議を経て、対策として解体&
新築の方向で話が進みました。
…が、私どもも幼い頃から慣れ親しんだお寺、
いざ解体となると忍びないものが、あります。
たくさん写真を残して…良い仕事をして、
本堂の供養になればと思っています。


旧本堂正面 旧本堂 向拝
 山門をくぐると本堂(正面)と庫裏(くり 右)が
現れます。一般住宅と違いお寺は、とにかく何でも
大きい〜庭木まで大きいので…写真もよく分りにくい
かも知れませんが(笑)
コンパクトな本堂に建替えの際、庭木の移植も
検討しなければいけません。







 さて、本堂正面の手を合わせて拝む場所を
【向拝】(ごはい)と言いますが、ここには、結構
細工の細かい彫刻が、あります。まず、正面青○
で示された梁は、【虹梁】と言います。またそれを
堂と繋ぐ緑○部の梁を【海老虹梁】と呼びます。
また、黄色○の部分は、【木鼻】と呼ばれ獅子と
象の彫り物です。これらは、すべて欅(ケヤキ)の
木彫で貴重なものですから洗濯をしてリメイク
することになりました。そして向拝の屋根を支える
柱を【向拝柱】と呼びます。これも加工し直して、
使えるものならば使いたいと思っています。


旧本堂 内観 木鼻
 では、内観をご案内します。お寺の間取りは、
大きく下陣と内陣に分けられています。下陣は、
上記で説明した通り、参拝者の間です。
そして内陣は、住職さんがお勤めをする間を示し
ます。また内陣も更に細かく区分されています。
参考までに…ここ高田派では、正面に阿弥陀如来
(あみだにょらい)の宮殿(くうでん)、向かって右の
佛間には、親鸞上人(しんらんしょうにん)、左には、
真慧上人(しんねしょうにん)【高田派を設立した
上人】が安置されています。また、更に右の袖には、
聖徳太子が祭られています。小さいながらも配置は、
高田本山と同じ並びだそうです。仏様や仏具は別に
して…今回、内装部品でリメークを要検討したのが
正面の
龍の欄間間仕切り扉です。


 これは、上の木鼻の拡大写真です。
私どももこのプロジェクトに指名して頂いて建築屋と
して大変
名誉なことであり、底力を発揮せねばと…
参考となりうる社寺建築を拝見して歩きました。
 そこで…
 我がお寺の木鼻や出組み(その上のパーツ)彫刻
は、結構凝ったものだと確信しました。
必ずやきれいにして新しい本堂に取り込み、昔の
趣きや想い出を活かし再現する方向で力を注ぎたい
と思っています。お参りに来られる方々にも新鮮と
懐かしさを同時に感じて頂ければとの思いです。





周りから撤去して 移設保存される仏具
 解体に備えて仏具等の移設を行いました。
写真は、内陣の灯具をつるしてあった金具を
はずしているところです。




 続々と仏具や関連パーツが運び出されます。
これらには、復帰の際に分りやすいように1つづつ
エフを付けて保存しました。
まぁ〜沢山あるものですね〜写真では、ご紹介
できない量でしたので、ほどほどに掲載しました。


本尊宮殿養生 宮殿切り離し!
 ご本尊の宮殿です。これは、大きく屋根と胴部分
が分離されます。分離する際に屋根の出組みを
壊さないように慎重に養生をしました。




 さぁ〜宮殿の切り離しです。うまくいって〜お願い〜
南無阿弥陀仏って感じでシャッターを切りました。
ここでも筆者の姿が見えません…作業は平等に
しているのですが…いつも撮影役なので写って
ません(;;)


宮殿運搬 屋根のホコリを掃除して
 宮殿本体の移動です。写真では、きれいに見えて
いますが…何せ200年物、昔の接着剤である
ニカワが剥がれ各接合部は、ギクシャクして不安定
です。落としでもしたらバラバラでしょうね!
って言ってないで早く助けろ〜〜って感じの顔つき
ですね!(笑)わははっ!
 この宮殿に限らず、傷んでしまった仏具・彫刻物は、
すべて私どもの手で修理する予定です。


 無事に分離された宮殿と屋根です。
住職さんが、掃除されていますが、屋根の汚れは、
線香とタバコのヤニとホコリが絡みついてなかなか
きれいになりません。軽く落として後は、外でエアーと
しなやかブラシでホコリを落としました。ついでに
布で乾拭きしてピカピカに磨き上げました。


重いぞっ!欄間 欄間もきれいに〜
 さぁ、ウワサ(笑)の龍の欄間の取り外しです。
どこを持っても壊れそうなので…先ず、取手として
数ヶ所にロープでハンドルをつけて欄間の中心に
ロープレッカーを取り付けて3人で超慎重に作業が
行われました。2間半もある巨大欄間の重たいって
のなんのって!棟梁は、「隙間に挟んだ指が、つぶ
れるかと思った」と言っておりました。(笑)



 おぉ〜参道まで運び出すことができましたね!
写真は、エアーとブラシ(パソコン等の掃除用の
しなやかブラシ)でホコリを吹き飛ばしています。
この、お磨き担当は、筆者です^^ 半日ほど磨いて
いたでしょうか…かなりピカピカになった欄間や
宮殿を見て住職さんが「仏壇屋さんの仕事まで
やってもらってありがたいです」とのお言葉。
やりがいがありますっ!


 さあ、どーですか!
すっかり空っぽになった内陣の様子です。種分け&
清掃された部品も一括保存されて引越し成功です!
この後、解体工事へと進んでいくわけですが、この
ような大工仕事に直接関連してないことも含めて
何でも!
積極的に!
お手伝いさせて頂くのが松葉建築スタイルです。

 いやいや、お寺の仕事は、マジ勉強になります。
次回、解体工事をお楽しみに〜〜
              つづく     
空っぽの内陣
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